現場取材「鉄筋のガス圧接」

取材現場【No.01八王子市 共同住宅新築工事】
鉄筋コンクリート造(RC造)
現場取材:5回目
前回の取材記事はこちらになります↓
https://www.sanyu-kensetsu.co.jp/2024/04/12/syuzai-4/

今回は、鉄筋のガス圧接(あっせつ)の取材を行いました。
圧接とは、2本の鉄筋を固定し、両者を互いに押し合うように圧力をかけながら
ガスの炎で接合部分を溶かして、結合させる溶接方法です。

熱と圧力により、接合部にはコブが出来上がります。
・コブの大きさは足りているか
・相互の鉄筋の軸にズレはないか
・圧接部に割れやヒビが無いか などを確認
規定の数値に満たない場合は、再加熱や切断にて修正を行います。

また、圧接する鉄筋の断面は、平らで綺麗でなければいけません。
隙間が生じると不要な空気が入り、製品不良を招く可能性があります。
カメラのズームを使うと、圧接前の鉄筋断面が銀色でピカピカなのがわかりますね。

そして、圧接の作業を担当するのは有資格者になります。
資格には1種から4種までの種類があり
取り扱う鉄筋の種類や鉄筋径、作業できる範囲がそれぞれ異なります。
鉄筋が太いほど資格の難易度は上がるそうです。

また、圧接には外観チェックの他、抜き取りによる引張試験も行われます。
法的試験機関で引張試験機にかけ、基準通りの強度をもっているかを判断する試験です。
この試験により、継ぎ目の強度が”継ぎ目のない鉄筋と同等以上の強さ”ということが証明されます。

取材を行ったのは6月でしたが、圧接作業の周辺は熱気で高温になっていました。
真夏には熱中症への細心の注意が必要です。

そして、そもそもの話。
なぜそこまで手間をかけて、鉄筋を圧接する必要があるのかというと、理由は単純。
鉄筋は一番長くても、12メートルの製品しかないからです。

しかし、コンクリートの中に鉄筋を入れ込むRC造では、建物の大きさ分の鉄筋長さが必要です。
そのため、大きな建物を建築する工事現場では、圧接により鉄筋を継ぎ足しつつ
コンクリートを打設し、上へ上へと建物を造りあげていく必要があるのです。

現場で作業する職人の方々は、重い鉄筋を要領よく組み上げ、作業を行っていました。
力と技術とチームワークがあってこそ成せる技ですよね。
現場仕事の魅力を再発見!今後の工程も楽しみです。

2024年6月14日